王者のテニス ロジャー・フェデラー

9月10日、今年最後のグランドスラム全米オープンの男子シングルス決勝が行われた。
王者フェデラー対20歳の玄人ジョコヴィッチ。


フェデラーが負けるとはさらさら思っていなかったが
試合のポイント、見所は、ジョコヴィッチがどこまでがんばれるかと、
なんとなく雰囲気が、「気が抜けてる?」くらいに軽い感じで、
チカラがはいらない様子のフェデラーの調子だった。


結果は、タイブレークを2セット連続で制したフェデラー
セットカウント3−0での全米4連覇達成。おめでとう!!ロジャー!!!
いやすごい。すごかった。
ここぞ、というところでの強さはまさに王者のテニス。
またもや、フェデラーのテニスにやられまくりだった。
あきれるばかりの強さ。
そして、グランドスラムの決勝進出記録も、連続14回で最高を更新中だ。
そのうち、全仏、アンツーカーでのナダルとの決勝のみ、過去2回、決勝戦での敗退。
他はすべて、フェデラーが優勝しているということ。
尋常じゃない。


第一、第二セットはタイブレークに突入し、
ここぞ、という大切なポイントをすべてジョコがミス。
というか、タイブレークに入る前に得たセットポイントを自らのダブルフォルトで失うなど
要所でどうしてもポイントがとれず。
そこまでのプレーがよかっただけにため息がもれつつ
「これじゃあ、フェデラーに勝てるわけがない」と誰もが思ったのではないか。


逆に、フェデラーは、ジョコのストロークに押され、何度も0−40になりつつも、
そこから逆転してキープが何度あったことか。


フェデラーの調子が良かったとは到底思えない。
打ち合いではたびたび、ジョコのエースが決まっていたし
フェデラーの目の覚めるようなショットはなかなかでません。
ただ、今大会はサーブが好調で、ロディック戦ではサービスエースの数が
ロディックを上回った。
この試合も、困ったときにはサービスエースでピンチを切り抜けていた。


私としては、サービスエースはもちろん素晴らしいんだけど、
打ち合いのなかで、フェデラーのよさをもう少し見たかったけど。
終始、ストロークのとき、力が抜けていた。
ジョコのストロークをスライスで返すのはよいとしても
叩いていく場面が少なすぎた。
ジョコのショットに押されて、というよりも
「合わせて」いるうちにそうなってしまったという感じ。


フェデラーのテニスは、あまりにも強いせいなのか、王者ゆえなのか
「相手の良い所とやりあうテニス」だ。


サーブの得意な人とはサーブで
フォアのストロークの得意な人とフォアのストローク
・・・というように、
たいてい、相手のよいところを、更に高いレベルで圧して勝つ。
だから、相手の良いところがそのまま生きるときも当然でてくるわけで。。


さらに、人間同士の、しかも1対1の試合なので、
そこに「相性」もあらわれてくる。


フェデラー自身が明言している通り、彼のライバルはナダル一人だった。
ナダルはクレーの王子様だけど、
今年のウィンブルドンでのフェデラーとの決勝戦は、ナダルが総合的には完全に押していた。
それでも優勝するのがフェデラーの強さの本当の極意のところだと思うが
彼はナダルとの相性はよくないのだろう。
ナダル以外には、そういう「苦手」な選手は誰もいなかったのだ。(サフィン〜(泣))

ロディックダビデンコなんて、本当に相性がいい。
どんなにピンチになっていても、
フェデラー自身、負けるとはまったく思っていないんじゃないだろうか。


ジョコは20歳という若さで、本当に「巧い!」とうならせるようなプレーが随所にでて、
フェデラーのような、パワーだけではなく、すべてのショットの完成度の高さを魅せてくれた。
フェデラーのような」ということは、試合巧者同士の試合、ということ。
この試合は、たんたんと進んだようにみえて、
私はとても面白かった。
バカバカ打ち合う、サーブだけでも、スピードだけでもなくて
多彩なストロークをみるだけて、テニスって楽しい!と思わせる。
プレーが二人とも美しい。
まさに、お手本がプレーしている。
充実した決勝戦だった。


ジョコヴィッチはこれで、本当にフェデラーにライバルとして認められただろう。
彼はまだ20歳で、精神的な強さを身につけていくのはこれからだ。
自らのミスでセットを落としたとき、笑ってしまっていた彼をみて
「まだまだ」と思ったのも確かだが、だけど、それでも彼ははじめてのGS決勝戦なのだ。
この先、ジョコヴィッチ自身が、「ロジャーは自分のライバルだ」と
思えたときからが、本当の勝負だろう。


試合中も、どちらもコートマナーもよく、
全米の独特のエネルギーのなかでのいいプレーだった。
しかし派手な大会だな〜。


今、フェデラーは26歳。まさに円熟、スポーツ選手として最高の時を迎えている。
彼は、同年代の選手から抜きん出て、一人勝ち状態だったが、
ナダルが現れ、彼の生涯グランドスラムを阻んでいる。


フェデラーがあとどれくらい、このレベルの王者でいることができるのか。
来年まではまだなんとかなるだろう。
彼は、自分をコントロールして、怪我も少ない。
そこもまたすさまじいことだと思う。これだけ試合をしているというのに。


現在20歳前後の選手がほんとうにたくさんイイ選手がでてきているので
フェデラーの黄金時代に、少しでも多く、彼と試合をしてほしいものだ。


そして、フェデラーの時代のあと、誰がナンバーワンになるのか。
私はナダルも応援しているし、彼の実績が他を圧倒しているので
ロジャーの後継者はナダルが第一候補だけど、
これでジョコヴィッチが目覚めて、すごいライバルになっていったらいいな。
キプロス島の英雄バグダディスやフェルナンド・ゴンザレスもここんとこイマイチだけど
私は好きだー!


これで、今年のグランドスラムはすべて終了した。
今年はじめに、「今年はフェデラーグランドスラムを達成する」と信じてやまなかったため
ローランギャロス決勝は、本当に本当に悔しかったけど、
終わってみればフェデラー
全豪 優勝
全仏 準優勝
全英 優勝
全米 優勝

強すぎる。。。
今年ダメだと来年は更に更に厳しいとは思うけど、
ぜひとも全仏でナダルを破って優勝してほしい!



今年は来月、10月、またフェデラーが日本にやってくる!
しかもチケットちゃんとおさえたし〜!
一人で見に行くけど!!
あ〜〜。。。楽しみすぎる。。。練習もみたいな。


そうそう、ジョコのモノマネ!!おっかしかった〜。
さっきも動画でフェデラーのマネしてるのみちゃった!!ぶほっ!


そうです、さらに、今大会でティム・ヘンマングランドスラム引退です。
本当の引退は、この後のデビス・カップだそうです。
ちょっと泣けました。
紳士でしたね〜。去年は日本にきましたね。

カルロス・モヤがここのところ調子がよくって、嬉しい。
ベスト8は立派でしょ。
いや〜、あの全仏での優勝から早何年だろ?
しかしあいかわらず、かっこいいい。