東のエデン

東のエデン (ちくま文庫)

東のエデン (ちくま文庫)

またも日向子さん。
初期の作品が収録されている。
江戸から明治、大正へと続く時代をすくいとった作品。


日本が西洋化していく第一歩の時代。

「閑中忙あり 2」がこの中ではいい。
西洋化の為、廃仏棄却しなくてはならないお地蔵さん。
そのお地蔵さんを「なんとかそのままにしておきたい」お嬢さん。
そのお嬢さんを気に入っている男が
友人とお地蔵さんを別の場所にもっていってかくしてやる話。
なんてことないエピソードが、日向子さんの手にかかれば
カラリいい具合になる。

「気に入っている」って言葉、好きなんです、私は。