読み終わった

『今日は死ぬのにもってこいの日』読了。
美しい、シンプルで力強い詩に、うなずきながら読んだ本だ。
著者のナンシー・ウッドは、アメリカインディアンの部落の近く、
サンタフェに一人で暮らす。
部落の人々と交流をもち、彼らの生き方を、詩にしたのがこの本。
彼女自身もまた、物質文明から離れて生きようとした人だ。
この本の原題は、『MANY WINTERS』。

引用・また感想。
「冬はなぜ必要なの?」「新しい葉を生み出すためさ」
「夏が終わらなきゃいけないわけは?」「葉っぱどもがみな死んでいけるようにさ。」
このような詩が、いくつも語られている。
「冬」は、「死」ではなく、「再生」「甦り」を意味する。
輪廻転生の思想だ。
ナンシー・ウッドが序文で、
「彼らの名前は重要ではない、このニュー・メキシコ地域に八百年、
あるいはそれ以上住んでいた部族が、今なお存続しているという事実だ。
彼らの宗教、そして彼らの生活の仕方は、まだ昔そのままである」
と記述するのも、一人一人の生は、もっとおおきな流れに
くみこまれていることを暗示しているのだと思う。