たったいま読み終わった

神々の山嶺 上 (集英社文庫)

神々の山嶺 上 (集英社文庫)

夢枕 獏著 『神々の山嶺(いただき)』読了。
今日午前中に読み初めて、上下巻を、一気に。
山岳小説は、憧れがつまってる。
マンガでもなんでもいいんだけど、圧倒的にやられてしまう。
そして、夢枕獏
面白くないはずが無い、そんな組み合わせだと思う。
作者自身が山に登るのも、エッセイで知っていたし、
今までに読んだ本でも、山の男が登場していた。
それが、作者自身のあとがきにあるように、「どまんなか」
の山の小説をかきあげた。
この人も、「天才」に惹きつけられてやまない人だから、
この作品のエベレストに登る男もまた、天才が描かれる。
日常になじめない、山しかなかった、そういう人。
そして、普通の人だけど、その天才につきうごかされ、とりつかれるように
山へ向かう者。
普通の男が自分にできることをするくだりでは泣いた。
これはきっと、男性が好きな物語なんだろうと思う。
人間の善なるものを信じている、信じたい、作者の想いがみえた気がする。
「死にに行くようなもの」この引力。
人生は長く生きればいいってものじゃない、と青臭いことを想う、
という一節も、センチメンタル好きな私にはストライク。
いつまででも、青臭いことを想っていけるのか。