2冊読み

昨日の続き、『人はなぜ宗教を必要とするのか』を読む。
著者は浄土真宗の信者の方。
だけど、一切、その自分の信じるものを押し付けるのではなく、
読者ひとりひとりが、もし望むのであれば、
自分にあった宗教を発見してもらえたら、という本。
特に、日本人にとっての宗教、を考える本。
それと、著者が一番詳しいのが浄土真宗ということで、
法然親鸞の教えがよく説明される。
あと。近代日本の宗教のかわりをはたしたものはなにか?
ということには、福沢諭吉志賀直哉の小説があげられる。
無宗教」である、と日本人の多くの人がいう、その真意を
かいてあるくだりは、とても納得できるもの。


引用。
創唱宗教」とは、教祖がいて、その教えを示す聖典の類があり、
その教えを信じる信者団体が存在する宗教のこと。
「制度宗教」「歴史宗教」『成立宗教」と学者は呼ぶ。
一方で、「自然宗教」は、自然発生的な宗教のこと。
民間信仰」「民族宗教」と学者は呼ぶ。
先祖たちによって、暮らしのなかで伝えられてきた宗教心のこと。


そして、多くの日本人が「無宗教」といっているのは、
創唱宗教」に対しての警戒心、嫌悪感などをもっている人がおおいせい
だと指摘している。私もその一人だ。
そのことを言葉で確認できたのはよかったと思う。


んもう。
なにこれ。最後が、終わってない。
続きを書くはずが、雑誌がなくなってしまったらしい。
そして、内容の重複ぶりを考えると、この話しから、あとで、
神々の山嶺』『上弦の月を喰べる獅子』が書かれたんだろうと思う。
『上弦の〜』は、陰陽師しか読んだことがなかった時に、
サチに奨められて読んだら、ものすごい面白かった本。
螺旋。業。因果。宮沢賢治。海より来るもの。山。
これらが渾然となって、進化の旅と悟りや、悪の存在までが描かれていた。
大変な作品だ。
そして、もうひとつの『神々の〜』のほうに、山の男のことが描かれる。
その二つの作品の前の段階のもの、というほかない。そんな本。
最後、がっくりした。
終わらない本って、とまどってしまう。